ため池も凍りつく、この季節。 大量の資料を前に、土方歳三は頭を抱えていた。 「あー!くそっ」 土方の、むしゃくしゃとした呻り声が、狭い部屋に響く。 俳句が書きてぇ…。 人知れず、土方は心の中でそう呟く。 俳句を書くことを趣味としている土方。 しかし、最近はその趣味を行うことすらままならない。 背後でパチパチと火鉢が音をたてている。 今は、それさえも煩わしく感じた。