どうして、こうなった。

 優しさは凶器になると、知っていたら君を泣かせることもなかったのだろうか。

 「悲しいの?」

 「…虚しいの」

 僕は、苦しいよ。

 「泣かないでよ」

 「泣かせないでよ」

 優しさは凶器に、愛しさは鎖に、僕らは愛し合うことで縛り合い、傷つけることを優しさと勘違いしていた。