五十嵐さんは、自分の携帯を手にすると、島津さんと戸崎さんに連絡をいれた。


「もしもし……さやか?そこに、愛美もいるの?調度良かった。
あのね…一緒に、折乃に謝りに行かない?

え?…でも、私達も死んじゃうかもしれない…香達みたいになるかもしれないよ?
こんな、こんな気持ちのまま、私は死ぬのは嫌!

せめて、折乃に謝ってから死にたい!私達、折乃にひどいことしたから…だから!

…もう、いい!」


五十嵐さんは、携帯をバタッと閉じると、


「ごめん…二人とも、きてくれないみたい…」


と申し訳なさそうに、私に言った。


それでも、私はずっと、五十嵐さんの言葉に感動していた。


いじめていた彼女は、罪悪感や、申し訳ない気持ちで、心がいっぱいなのだ。


そうでなければ、『せめて、折乃に謝ってから死にたい!』なんて、言うはずない。