眠り姫の呪い

「私は…噂を信じているわけじゃない……」

「…?」

「折乃さんが犯人じゃないことは確か。
だって、折乃さんは、今も病院で眠っているはずだもの…」

「そう、よね…」


五十嵐さんは、安心したように、ふっと声を出す。


顔色も、少し良くなった気がする。


「でも」

「でも…?」

「犯人が、折乃さんをいじめていた人を狙っているかもしれない」

「!」

「次に狙われるのは、五十嵐さんか、島津さんか、戸崎さんか…。
もしかしたら、担任の緑野先生かもしれないし、傍観者だった私達かもしれない…。
でも、一番可能性が高いのは、五十嵐さん、島津さん、戸崎さんの3人だと思う…」

「そんな…」


やっと顔色がよくなったのに、また五十嵐さんは顔を青ざめてしまう。


「私…死にたくない!」