蒼い海 -君の隣で-



千尋「お前さ、もうあいつのこと忘れていいと思うぞ。」


……やっぱバカだこの人。


美空「忘れられるわけないでしょ……彼は…満は、今までもこれからも、私の大切な人だから。たとえ、生きていなくてもね。」


千尋「………あいつは…愁は、満のこと知ってるのか?」


美空「………知らないよ。」


千尋「そーか……お前さ、あのこと、自分のせいだなんて思ってねぇよな?」


……自分のせい……


美空「それはどーだろうね。」


千尋「そんなこと考えんなよ。そんな前見て、苦しむのは、満だろ。」


美空「……あのことで…死んだのは自分のせいって、思わないほうがおかしいよ。…………満が死んだのは、私のせい。うちは、その罪を背負って、満の分も生きるの。そうでしょ?」


私はそう行って、千尋を置いて旅館へ戻った。


だから、千尋が呟いた言葉なんて聞こえなかった。


千尋「生きても…お前が幸せにならなきゃ意味ねぇんだよ…。」


さらに気づくわけがない…私たちの会話を………愁が聞いていたなんて。


愁「……満……。」