夢蝶 ~なによりも大切なもの~



『ちょっと待って。伊月兄は?』


「俺?俺は、もう少しここにいるよ。
まだやること残ってんだ。」



………やること。



『そんな…せっかく会えたのに。』

「すぐ行くって。安心して待ってろ。」



………伊月兄。

そうだね。待ってる。

あなたを信じてずっと待ってるから。


『早く、きてね?』

「あぁ。」




「またな。」

そうつぶやく伊月兄を最後に

私の視界は、再び眩い光に包まれた。