「シロー、捕まえてきたよー…って何やってんの?」




さっきの男を追いかけて行ったふたりが、不思議そうな顔をしてわたしとわたしを抱きしめているそいつを交互に見ていた。


あの、この変態野郎なんとかしてくださいお願いします。たすけてください。




「えー、シローずるい。俺も女の子ぎゅってしたいー」


「近付くな歩く18禁が」


「酷くね?」




いや、そう言うあんたの方が歩く18禁だろ!?普通見知らぬ女の子抱きしめないだろ!いい加減離せよ!!


そう心の中で思いながら腕の中で必死にもがくが、全然離してもらえない。




「シロが女の子抱きしめるなんて珍しいこともあるんだね。それで、何罪で捕まりたいの?」




にっこりと…、いやあれはにんまりか。


にんまりと笑う可愛らしい顔をした男の子はそいつを見ながら左手に拳を作っていた。だぼっとしたセーターがかわいくて、つい見入る。