カズくんに言われた通り、わたしはユーマの腕を掴んで獅狼に投げつけた。
「行けユーマ!」
「待って!?これオレ負けるの確実だよね!?」
「最初から負けが確定しているゲームなんてないよユーマ」
「がんばれユーマ〜」
グッジョブ、と親指を突き上げにっこり笑うわたしとカズくんにユーマは「人でなし!」と叫んで来た。
人でなしとは失礼な。
「そうだなぁ。ユーマは俺に勝てた試しがないもんなぁ」
「いやいや待て落ち着け獅狼。オレは一言もやるなんて言ってねぇし、実際その通りだし、やめようぜ、なっ!?」
「ユーマ!もしかしたらもしかするかもじゃん!」
「うんうんそうだそうだー」
カズくんに至ってはもはや応援する気もないのか、適当に言葉を選んでいてそれが面白かった。

