急すぎる出来事に頭もカラダもついていかず、そのまま獅狼の胸へダイブした。
それと同時にわたしの低い鼻が獅狼の胸板に激突。
すんごい痛いんだけど急になに!?!?
「ちょっと、獅狼…!」
「うるせぇ、ちょっと黙ってろ」
「はあ!?」
そう言ってわたしの耳を塞ぎ、聞こえてた音をシャットアウトされた。
なにしてるのかもなに話してるかもわからなくて、ただただ獅狼の腕の中で大人しくしていた。
どくんどくん、と規則正しく聞こえる心臓の音。
「わぁお、リリおめでとう」
「え?」
「だがオレは諦めない!お前なんかにリリちゃんやってたまるかああ!!」
「ん???」
事態を把握できず首を傾げ、獅狼を見上げた。
こいつふたりになんて言ったんだ??

