「おい…」


「リリあったかーい!」


「背中にカイロ入れてるからね〜」


「このまま連れて帰っていい?」


「やめてくださる?それを世間一般では誘拐と言うんですよ」




ペシペシ、とユーマの腕を叩き「離れろ変態」と引き離そうと動く。


この変態誰かなんとかしてくれ。




「ちょっとユーマ、リリが嫌がってんでしょ?」


「いやよいやよも好きのうち、って言うじゃん?」


「何そのポジティブシンキング」


「……」




なんてくだらないやりとりをしていたら、今まで黙って見てただけの獅狼がいきなりわたしの手首を掴んで自分の方へ引き寄せた。




「わ…っ」