「何だよ…、ってふてくされて椅子に座り直したシローの頭をネーネが殴ったんだよ」


「ええ!?」




あれは傑作だったな、と思い出して笑うふたりにわたしは目をパチクリとさせた。


そ…そんなことがあったんだ…。




「“あんたが連れてきた子でしょ!また襲われたくなかったいますぐ追いかけなさい!”って」


「その後“行かなかったら今後出入り禁止にするからね!!”って、ネネさんガチで言ってさ」


「さすがの天下無敵のシローでもネーネには適わないみたいで、舌打ちしながらリリーの事追いかけたんだよ」


「………」




…それって不本意ながら追いかけた、ってことだよね…?


ありがたいような、ありがたくないような…。




「でも帰ってきた時シロー、なぁんか機嫌よかったよなぁ」