いろいろネネさんには世話になってるからな、と言うユーマ。


そう、なんだ…。


獅狼って…どれだけの物背負ってるのかな…。KINGのリーダーやって、街を守って、それなりに名前も知れ渡って。


…それじゃあ、前にいた街にだって獅狼の名前が知れ渡ってるかもしれないのに何でわざわざそんなことしてるのかな…。


いくら強い獅狼だって、辛いときや悲しいときだってあるはずなのに…。




「ほら、この前さリリーが勝手に帰っちゃったときあったんじゃん?」


「え…?」


「買い出し頼まれて、シローに送られるのが嫌で」


「ああ…そういえばそんなことあったね…」




最近の出来事だったはずなのに、もうすっかり忘れてた。




「あのときもね、シローがリリーを追いかけたのはネーネに怒られたからだよ」


「怒られた…?」


「そ」




ユーマははぁーと息を吐き、わたしを見てにこっと笑う。