「オレらも行くか。うちの大将が怒らないうちに」
「獅狼はいつも怒ってるイメージしかわたしにはないんだけど」
「それは照れ隠しだよ」
どんな照れ隠しだよ!わかりづらい照れ隠しだな!?
なんて思いつつ、獅狼の新たな一面を発見して嬉しい気持ちがある。
わたしと同い年のはずなのに、すごく大人びてていつも余裕綽々で何でもそつなくこなして…。
それにKINGのリーダーだし…。それなりに背負ってる物が大きいはずなのにそれを感じさせない。
ある意味そこは尊敬する。ばかなわたしでも獅狼はすごいやつなんだってことはわかる。いつも不機嫌面で意地悪だけど。
獅狼も、それなりにがんばってるんだよね。それなりに。
「リリー?どうしたの?」
「わっ、カズくん…」
ぼーっと下を向いて歩いていたらいきなりドアップのカズくんの顔が視界に入り込み、後ずさりした。
その綺麗でかわいらしい顔を急にわたしの視界に入れさせないで…。

