「リリって、わっかりやすいよね」
「へ?」
クスクスと笑うカズくん。
わたしは何がなんだかわからず首を傾げた。
…今日はなんだかよくわからない日だなぁ。えりには鈍感って言われるし、カズくんにはわかりやすいなんて言われるし。
「テストの話した瞬間に上の空でさ。つまんなそうな顔しちゃって」
「でもそんな顔もかわいいよ」
「………」
ユーマに横からぎゅっと抱きつかれ、カズくんからは頭を撫でられなんとも異様な光景になっている。
む…、と唇を尖らせるとジャリと砂を踏む音が聞こえ下げた視線を上に向ける。
「おまえ、今史上最高のモテ期だな?」
ニヤニヤと笑う獅狼にそう言われいちいち怒るのもめんどうだと思い、ふふんと得意気に笑って見せた。

