「…おっせーな」
不機嫌面の獅狼にそう言われわたしはふんと顔を背け、カズくんとユーマにだけ謝った。
「遅くなってごめんね!友達と話してたら遅くなっちゃった」
「ううん、大丈夫だよ」
「どっかの誰かさんは“遅い”ってぼやいてたけどね」
クスクスと笑うふたりと、青いベンチに座ってわたしを未だに睨みつけているそいつとは対照的だった。
ユーマに言われなくてもさっきハッキリと「遅い」って言われたから特になんとも思わないけれど、そこまであからさまにされるとちょっとムカつく。
「あ、そういえばもうすぐテストだよねぇ」
「…あーソウダネー…」
テストの話になった瞬間にわたしは視線を違うところへとやった。
なんで今このタイミングでテストの話するかなぁカズくんは!!!

