“シロー”と呼ばれた銀髪の男は「ああ」と短く返事をすると、より一層目を鋭くさせわたしの後ろにいる男を睨みつけた。




「…覚悟しろよ?」




ニヤリ。口角を上げるとわたしに目を瞑ってろ、と指示をする。


や…あの、こんな状況で目を瞑れるほど肝は座ってないんですけど…。




「うっ…うわああああ!!」


「お、わあっ!?」




何を早まったのか、わたしを人質としてとっていた男は銀髪の男にわたしを投げ飛ばすと奇声を上げたながら公園を出て行こうとしていた。




「ユーマ、カズ追って来い」


「まったく…」


「オレ、追いかけんなら女の子がいいんだけどなぁ…」




声をかけられたふたりは文句をぼやきながらも、すごいスピードでさっきの男を追いかけて行った。


えっと……、終わった、のか?




「おい、大丈夫か?」


「……はあ…」