さっきよりも強い力で後頭部をベシッと殴られ、さすがのわたしも抗議の声をあげた。
「さっきから人の頭ベシベシ叩いてこれ以上脳細胞壊れたらどうすんの!?!?」
「元々壊れてるから大丈夫よ」
「………」
えりには口で勝てないと悟った瞬間だった。
4月下旬から始まるテストに向けてテスト勉強しなきゃいけないんだけど、自慢じゃないけどわたしは勉強の“べ”の字も出来ない。
だからいつもえりに教えてもらうんだけれど、いかんせん集中力と理解力の無さでえりにいつも見捨てられてしまう。
そして今回も…わたしの頼みの綱はえりしかいないのに、そんなえりに見捨てられたらわたしもう無理だ…。
「テスト用紙燃やしてボイコットしたい…」
「あんたばかじゃないの?テスト用紙燃やしてる時点でボイコットだから」
「さっきから隣でうだうだうるせえなぁ」