「おまえが俺に“家まで送ってください、お願いします”って言うまで」


「はああ!?」




ジョーダンじゃない!!何でわたしがそんなこと言わなきゃいけないの!?てか、あんたどこの俺様ですか!?


大体送ってくれなんて一言も頼んでないし!!


嫌だ嫌だ、と唸っているとパッと獅狼が離れぐしゃぐしゃと乱暴に頭を撫でられる。




「ちょっと…!」


「嘘だよ。俺もそこまで鬼じゃないんで」


「(じゅーぶん鬼じゃんかよ…!!)」




なんて思いつつ、にかっと笑う獅狼に胸の辺りがきゅううっとして口を噤んだ。


…何、この感じ…。ふわふわしてるような…。




「どした?」


「っ!べっ、別に!何でもないし!!!」




ふいっと顔を逸らすと「あっそー」と間延びした声が聞こえ、そしてぐいっとまた手を引っ張られた。