肩に回っていたシローの手をぺっと振り払い、外に出ようと歩き出した。
「それじゃ、今日はありがとーございましたぁー」
ガチャ、と扉を開けもう一度会釈をしてスーパーに向かって歩く。
あーほんと寒いなあ。そろそろマフラーいるかなあ、今日全然ゲームやってないなあ。そんなことをぼんやりと考えてとぼとぼと歩いていた。
すると、いきなりガシッと腕を掴まれて振り向いた。
「おまえは…ほんっとに……」
若干呆れ顔でわたしを見つめるそいつ。おまけにため息までこぼして。
「…何かご用?」
「……おまえなぁ?」
そう言って手をぎゅっと握ってくる。変態か、こいつ。なんでナチュラルに人の手を握れるんだよ。手慣れてるな!!
繫がれた手を振りほどこうとぶんぶんと手を振るけれど、いっこうに離れない。

