『当り前じゃない一応ね。じゃ、遅くならないように帰って来なさいよ〜』
ぶつ、と一方的に通話を切られしばらくその画面を見つめていた。
……あの人、一応って言ったよね?何、自分の娘が危ない目にあったって言うのに一応心配するだけかよ…!!
「どいつもこいつもほんとに~~」
まあ、主にムカついてんのは獅狼だけどな。
わたしに背中を向けてユーマを見ながらケラケラと笑う獅狼の膝を蹴り、素早く寧々さんの元に戻った。
いわゆる、ひざかっくんってやつだ。それもかなり本気のね。
「いってぇ!?」
「寧々さん、ミルクティーありがとうございました!」
「うん…っいいのよ、べ…別に…」
明らか笑いを堪えている寧々さんに笑顔を向けて「それじゃあ、もう帰ります」と言った。
「おいこらチンチクリン…」
「あら、もう帰るの?」

