じゃあ、いいわねって…何がいいの?
『ちょっと、お豆腐とキャベツ買って来てくれない〜?公園だったらスーパー近いでしょ〜?』
「はあ?またっ?最近買い忘れ多くない?」
ガタガタと急にうるさくなった背後を見れば、ユーマが獅狼に後ろから羽交い締めにされて首を絞められていた。
うわ…ユーマ弱…。
『……って聞いてんの?』
「へ?ああ、ごめん。なんて?」
くだらないやりとりに見入っていたら、お母さんの話を聞いてなかった。
『だから、もう夜だし夜道には気をつけなさいよって言ったの』
「ああ、うん、はい」
『この前みたいに巻き込まれちゃ元も子もないからねぇ』
電話越しにクスクスと笑う声が聞こえて、口元をひきつらせた。
「ほんとに心配してる?」

