「あー?」
獅狼をチラ見するように、視線をそっちに向ければ無表情で携帯を触っていた。
…でもなんか無駄にサマになってるから、ムカつくんだよな…。
「だってあんた、かわいい子しか助けないでしょ?」
「………」
え、それって…正義のヒーローとしてどうなの…?ていうか、わたしのことかわいいと思って助けたの…!?
「……俺はそんなチンチクリンに興味ねえよ」
「………」
獅狼はわたしをちらっと見ると、ハッと鼻で笑ってまた携帯に視線を戻した。
うん、むかつくから一発殴っていいかな?たぶん今ならカミサマもわたしに味方してくれると思うんだよね。
そういう思いで右手に拳を作っていれば「まあまあ…」とユーマになだめられた。
「チンチクリンって女の子に対して失礼ね、あんた!」
「女の子ぉ〜?そんな可愛らしい生き物どこにいるんだよ」
どこだどこだ?、とまたしても周りをキョロキョロ見渡して探すフリをする。

