鬼の形相で獅狼たちに怒鳴る寧々さん。横にいたカズくんはわたしに「ごめんね、気が付かなくて」と謝ってきた。
申し訳なさそうにしゅんとするかわいいカズくんに、わたしは大丈夫だよと言って笑いかける。
ていうか…なんか一瞬でひとが変わったな寧々さん…。
「外寒かったでしょう?今あったかい飲み物入れてあげるからね!」
何がいい?、と笑顔で聞かれてわたしは少し間を空けてから「じゃあ、ミルクティーで…」と控えめに言った。
わあ…獅狼たちと全然対応違うやぁ…。
そう思って突っ立っていると、ポンと誰かの手が肩に乗っかった。
「突っ立ってないで、座りなよ?」
「カズくん…」
にっこりと笑うカズくんに癒されて、押されるようにして革素材の白いバーチェアーに座った。
「ネネ、オレらには?」
「あんた達は冷水でも飲んどけば?」
「うはは、つめてーね」
ユーマは軽く笑い飛ばすと、自分の家のように冷蔵庫を開けそこからビールを取り出した。

