「獅狼の野郎めっちゃムカつく……」


「まあ、落ち着いて。シローもああ言ってるんだし、大丈夫だよ」


「そーそー!寒いからさっさと入ろ!」




いつの間にか自分の世界から抜け出して来たユーマに腕を引っ張られ、心の準備も出来ないままバーに連れ込まれた。


こいつも結構強引…!




「ネネさーん!」


「ん?…あら」




ユーマが笑顔でカウンターにいる綺麗なお姉さんに声をかけていた。


…なにこの人…こういうひとを絶世の美女って言うんじゃないの!?!?




「その子は?」


「ほら、この前話した女の子だよ。この子がリリ」


「あ!ああ!変なヤツに絡まれた子か!」




そう言ってにっこりと笑うと、わたしに向かって手を差し出して来た。


わ…ほんとに笑った顔がきれい……。