ありえない、そんな顔で居たら中に入った獅狼がまた出て来た。




「おまえらいつまで外に居るんだよ、鍵かけんぞこら」


「はいはい」


「寒いし、中入ろっか?」




ポン、と肩を叩かれて「うん」と頷いてユーマを見上げれば驚いたように目を見開いていた。




「?」


「…っあー、うん」




急にひとり唸りだして、なぜか空を見上げだすユーマ。なにがしたいのかまったくわからない。




「ユーマ?」


「あー…」


「放っといていいよ。行こリリ」




う、うん…?、とわけもわからずカズくんに腕を引っ張られとりあえず動くわたし。




「あ…待って」




わたしがそう呼び止めると、カズくんと獅狼が振り向いた。