牙剥き出しにした狼じゃん!あんなの全っ然かわいくないし!
「…てか、すごいスルーしてたけどどこ向かってんの?」
今更ながら聞けば、わたしの前を歩いていたカズくんが振り向いた。
「んー?僕らのー…」
「たまり場みたいなとこ!」
カズくんの言葉を遮って、にかっと笑ってはわたしの肩に腕をまわしてくるユーマ。
この人チャラすぎでしょ。カズくんの顔が完全に「くそユーマ」って物語ってるよ。
「たまり場って…KINGの?」
「そうだよ。僕らKINGは3人しかいないからねぇ」
あ、そういえばそんなこと聞いたような…。
ユーマの腕を振りほどくことなくぼーっと歩いていると、綺麗なバーが見えて来た。
「ここが、たまり場だよ」
「…ここ?」
ドアはかわいく木の作りになっていて、わかりやすく言うなれば“不思議の国のアリス”のような雰囲気がある。

