「…そ。じゃ暗くならないうちに帰ろうか」
「うん。もうだいぶ陽落ちてきたけどね」
太陽も傾いてきて、だんだんあたりは夜に近づいていた。
えりを送るために駅までの道のりをふたりで歩いていた。駅につくまでたわいもない話をした。
「それじゃ、また学校でね」
「うん、気をつけてねー」
去り際に頭をポンポンと撫でられ、えりは駅のホームへと入っていった。
…なんで今頭撫でられたんだろう?、その疑問を抱えつつわたしも家路につく。
「(あ、そういえば携帯ずっとマナーモードにしてたんだった)」
そう思いカバンから取り出すと、ものすごい着信とメールがきていた。
ほぼカズくんとユーマからの電話だけど……。もうここまでくるとストーカーみたいだな。
返事をしようと携帯を持ち変えると、肩を思い切り掴まれてビクッと肩を揺らした。

