なに、これ…。じゃあ今まで獅狼たちが忙しそうにしていたのは、このためだったってこと…?
……それならそうだと言ってもらいたいのだけれども。何も言わずに「出歩くな」じゃ誰も納得しないと思いますが。
「……ていうかなんでこの記事をわたしに?」
「リリ、前にKINGと会ったって話してたじゃん?だからよ」
「…え、そんだけ?」
「他になにか理由でも?」
「いや別に…」
てっきり何か別の意図があってわたしに見せてきたのかと思ってた…。
わたしは苦笑いをこぼしてもう一度記事に目を戻した。
…このシルバーの髪の毛、絶対に獅狼だよね…。黒服だから、髪の毛が異様に目立ってる。
周りにカズくんやユーマがいないけれど、違うところにでもいるのかな…。
そう思って記事を見ていると、自分の携帯のバイブが鳴った。
「あ、ありがと」
「うん」
机の下で携帯を開けば獅狼からの連絡だった。

