HRの終わりを告げるチャイムと同時に担任は教室を出て行き、いっきに騒がしくなる教室。


それと同時にくるっと後ろを振り向くえり。




「で、何が“なんなんだ”?」


「へっ?」


「ヘっじゃないよ。HR中に堂々とでかい声で言ったじゃん」




ああ…、と小さく相づちを打ち曖昧に笑った。




「今やってるゲームが進まなくてもやもやしてた」


「なぁんだ、またゲームか」




ほんとは獅狼たちが何やってるのかがわからなくて叫んだんだけどね。…そんなことえりに言えないし、なんとかゲームの話で誤摩化した。




「リリもさー毎日ゲームばっかりやって飽きないの?」


「飽きてたらやってないよ」


「ま、それもそうか」




えりは長い足を組み、そう言えばとおもむろに携帯をとりだした。