「林堂ー…は今日も休みか」
あの地獄の合宿から1ヶ月経った8月頃、獅狼もカズくんもユーマも最近なぜか慌ただしくしていた。
理由を聞いても教えてくれないし、言われるのは「絶対にひとりで出歩くな」ってことだけだった。
わたしも子供じゃないんだからさ、ひとりでどっか行ったりするよ。それなのにどこに行くにしろひとりでは行くなと言われる。
「なんなんだ!」
「…霧谷、どうした」
今がHRだってことをすっかり忘れてそう大声で叫んでしまい、担任に怪訝な顔をされてしまった。おまけにクラスメイトにまで笑われた。
「あ、すいません何でもないです…」
「お前もそろそろ受験生になるんだからゲームもほどほどにしとけよ〜」
はぁ、と溜め息混じりに言われわたしは軽く「はーい」と受け流した。
…そうか、もうすぐ受験生か…。
「じゃあHR終わり。授業がんばれよ〜」