なぜかわたしの隣から動こうとはしない黒髪獅狼にえりは首を傾げながらそう聞いた。


かわいいなあ…。これわたしが男だったら完全に惚れてるよ。獅狼もえりみたいなかわいい子がすきなのかなぁ。




「俺は…」


「え!?!?」




なんで!?獅狼の好みとかなんでもよくない!?誰をすきでもよくない!?わたしに関係なくない!?!?


自分で自分の考えに驚いて頭の中にたくさんのハテナマークが浮かんだ。




「ちょっとリリ!!いきなり大声出さないでよ!」


「…へ?」




えりは少し怒ったような顔をして、律ちゃんは不思議そうに目をパチクリとさせて、獅狼は怪訝な表情でわたしを見ていた。


…アレ?




「リリちゃん?どうかした?」


「えっ?あれ、ごめん。何でもないよ」




あはは…。と笑えば「もう意味わかんない」とえりに言われてしまった。


うん…自分でも声を出してたなんて気づかなかったよ。




「…俺は霧谷さん見てるからいいよ」


「そう?…でも林堂くんにばっかりリリのお世話してもらって、なんだか申し訳ないよ」


「…いいよ、別に」