「さて、あたし達も行くか」
「うーん…」
一方で、あまり乗り気じゃないえりの返事にわたしは首を傾げた。
「どうしたの?えり」
「だってリリが…」
ああ、なんだわたしの事か。
元々誰よりも海を楽しみにしていたのはえりだし、わたしのせいで楽しみにしていた海に入れませんでしたじゃここに来た意味がない。
「だーかーらー!わたしの事は気にしなくていいって!思う存分遊んで来なよ!」
「……それじゃリリが楽しくないじゃん」
「わたしひとりで海の家食べ歩きしてるから、だいじょーぶ!」
ブイ、とピースサインを見せればえりは少しだけ笑った。
「そう?でもあんまり食べ過ぎないようにね」
「わかってるよ。わたしの分まで楽しんで来ると良い!」
「ふふ、はいはいわかったよ。…林堂くんは?行かないの?」

