「かっ、返してよう!昨日お母さんにもゲーム取り上げられて…っ!」
「人の話くらいちゃんと聞きなさいよ!毎日毎日飽きもせずにゲームばっかりして!!」
なんだ、この人!わたしのお母さんか!?なにゆえみんなわたしの生きる源でもあるゲーム機を奪い取っていくんだ!
「だらしない!女の子なんだからもっとちゃんとしなさいよ!」
「はい、わたしに“女の子”という言葉は通用しません〜!!」
返せ、と言わんばかりにゲームを奪い取って昨日から止まりっぱなしの面を進めた。
「はぁ…。このゲーマーめ…」
「なんとでも〜」
わたしにはゲームさえあれば生きて行けるのだ!
ルンルンでゲームをやっていれば、ドン!と誰かがわたしにぶつかってきた。
「ちょお!?!?」
「おっ?なんだ?死んだか?死んだかっ?」
わたしはこの楽しげに話す性格の悪い男を知っている。