「あ、トイレ?ついて行こうか?」
「あー…ううん。大丈夫。し…林堂くんがついて来てくれるみたいだから」
獅狼の目がそう訴えかけてたから、そう言った。
でも…普通に考えて支えるにしても男女っておかしくない!?
「そっか。じゃあ林堂くんリリのこと、お願いね!」
だけどえりは、なんの疑問を持つことなく獅郎にそう頼み、えりに言われた獅狼はこくっと頷いたと思えば、わたしよりも先に立ち上がった。
そしてわたしに手を差し出し立たせては、松葉杖を持たせてくれる。
…き、今日の獅狼優しすぎてなんかコワイ……。
「じゃあ…ちょっと行ってくるね」
「うん。あんまり変な動きしちゃだめだよ〜」
変な動きってなに!?わたしそんな動きしたことあるっけ!?と思いながらトイレに向かった。
「はぁ〜!あっちぃ〜〜…」
トイレの裏側に連れて行かれるなり、獅狼は座り込みいつもつけている黒髪のウィッグを取った。
いつもの綺麗な銀髪が、風に揺れる。

