みんながカキ氷の味を決めてる中で、わたしは何も言わずただぼーっと海を眺めていた。
綺麗な海だなぁ…。海とか何年ぶりだろ。
「海…入りたかったな……」
「リリー、カキ氷の味どうする〜?」
ぼそっと呟いた言葉はえりにかき消され、振り向いた。
「ん〜…えりは何にしたの?」
「イチゴ!」
「じゃあえりと一緒でいいや」
「なにそれ」
相変わらず人と同じもの頼むね、と微笑んでえりはわたしの隣にいた獅狼にも同じことを聞いていた。
「…ブルーハワイで」
「オッケー」
そう言って清水くんは店のひとにみんなの分のカキ氷を頼みに行った。
「リリちゃん、ここ座っときな」
「あ、ありがとう」
「暑くない?大丈夫?」
お母さんのように心配してくる律ちゃんにわたしは苦笑いをこぼした。

