クラスのみんなが散り散りになったとき、先生にそう声をかけられ机を杖に腕の力だけで立ち上がった。
「何ですか?」
「せっかく今回のテストはよかったのに足のせいで残念だけれど、あまり無理に動かないようにね。ケガが悪化してしまうかもしれないから」
「はい、わかってます」
そう言って先生は「それじゃあ、また何かあったら言ってね」と部屋を出て行った。
「さて、どーすっかなぁ」
松原がそう声を発したとき、わたしは首を傾げてそいつを見た。
「どうするって?」
「だってケガ人いるからあんま遠くは行けねぇだろ?近場でどっか…」
それを聞いてわたしは「なんだそんなことか」と思ってしまった。
「わたしの事は気にせず、みんな楽しんで来るといいよ」
ハハハハ、と笑って両手を広げていればえりにペシンとデコを叩かれた。
「痛いなぁ」
「痛いなじゃない。今回の合宿はみんなで楽しむって決めたでしょ?」

