「リリーーっ!!」


「わあっ、ちょ、えり…!」




わたしを見つけるなり飛びついてくるえりになんとか踏ん張った。


…わたし今足負傷してるんだけど……。




「もう!心配したんだからね!?後ろ見たらふたりともいないし…!!」


「林堂くんありがとう。大丈夫だったか?」




獅狼は律ちゃんの問い掛けに小さく頷くと「怪我」とだけ言ってわたしの足元を指さした。




「えっ、怪我?」


「リリちゃん、ケガしたのか?」


「あ〜うん。ちょっと足捻って…」




どこ!?、と食いついてくるえりにわたしは苦笑いしながら「とりあえず中に入ろう」と言った。


すると先にスタスタと行ってしまう獅狼を見つけて慌てて声をかけた。




「し…っ、林堂くん!」




初めて獅狼のことを名字で呼んで、いつもと違う感じに少しだけドキドキした。


ゆっくり、獅狼が振り向く。




「あ、あの…っここまで一緒に居てくれて、ありがとうっ!」