「まあ、第二次被害は止められてよかったわ」
「…ありがとうございます…」
よしよしと頭を撫でられて変な気分になり、恥ずかしくて顔を俯かせた。
何だこれ何だこれ何だこれ…。いつも以上に心臓バクバクいってる…。顔上げらんないし……!なにより恥ずかしい!!
「よし、結構クラスの奴らと離れちまったからちょっと急ぐか」
「う、うん…」
獅狼はわたしの腕を自分の腰に回すと、今度はわたしの腰に自分の手を回してきた。
あれ…さっきもこんな感じだったかな…?そう思いながら一生懸命獅狼について行った。
途中途中で「大丈夫か?」とか「痛くないか?」とか「疲れたら言えよ?」って聞いたり言ったりしてくれてすごく嬉しかった。
わたしのことほんとに心配してくれてるんだなぁ、って思うと頬が勝手に緩んだ。いつもこんな感じで優しかったらいいのに…ともちょっと思ったり。
わたし達が宿に着いた頃にはもうみんなは中に入っていて、唯一えりと律ちゃんだけは外で待っていてくれた。

