別に、羨ましくもなんともないじゃん。寧々さんはやんちゃな獅狼たちのためにやったことなんだもん。
羨ましいとか、わたしの頭どうかしたのか。
「…おい、どうした?」
「…いや別に」
「その…悪かった、よ」
「え」
いきなり謝る獅狼にわたしは驚いた。
なに…獅狼熱でもあるの?明日は雨でも降るの?やめてよ、明日は楽しい海が待ってるんだから。
「……んだよその顔」
「…明日は槍でも降るの?」
「落とすぞてめぇ」
ほんとに手を離されそうになって慌てて獅狼の腕にしがみついた。
こっちは怪我してるのにほんとに手を離そうとするやつがいる!?
「危ないじゃんか!わたしを殺したいの!?」
「………」
少し涙目になって睨めば獅狼はわたしをじっと見つめたまま何も言わなかった。
……なに?

