「ああ。どうしよう、って考えてたろ?」


「ははっ。残念でした。その逆です」




わたしがそう言うと獅狼は目を丸くさせてこっちを向いた。




「焦ってもしょうがないから、もうゆっくり行こうって考えてたの。獅狼が支えてくれてるから。…まぁちょっとは焦ってたけどね」


「…やっぱおまえってマイペースだよな」


「そう?」




焦ってまた転けました、じゃバカにされるだけだし。ていうかえりも後ろにいるわたしのことをもうちょっと気にしてくれても…。


いやこればっかりは自分のせいか。しょうがないと諦めてふぅと息を吐いた。




「疲れた?」


「ううん、まだ大丈夫!」




獅狼がいてくれてるから、まだ歩けるよ。




「…この格好さ」


「え?」