「ヒーローはわたしが困ってるとき、いつでも助けてくれるの?」


「ああ、当たり前じゃん?ヒーローだし」


「どんなときも?」


「おまえがどこにいたって俺はおまえを見つけて助けだすよ、絶対に」




それは無理でしょ。そう否定すれば「俺にできないことはない」となぜか威張りだす獅狼。おかしくてふたり同時に笑い出した。


さっきまでの気まずさが嘘みたい。




「ほら、肩貸してやるから。立てるか?」


「ん…だいじょぶ」




獅狼に支えられながら立ち上がったけれど、それでも足は少しだけ痛んだ。




「獅狼こそ平気なの?このまま下まで行くんだよ?」


「あ?俺を誰だと思ってんだよ。KINGのリーダーだぞ」




得意気に笑ってみせる獅狼に、わたしはデコピンをかました。