でもみんなに心配かけたくないし。もう笑うしかない、こんなどんくさい自分に。
「おいおまえ…」
立ち止まって息を整えていると、前に陰ができて誰かの足元が目に入った。
ゆっくり顔を上げるとそこには怪訝そうな顔をした獅狼がいた。
……なんで、獅狼が…。
「…足、くじいたのか?」
「……別に」
そう素っ気なく返して、袖で額の汗を拭い獅狼の横を通り過ぎようとした。
「…っ待てよ」
「いっ!」
思い切り引っ張られたせいで足に激痛が走り、その場にしゃがみ込んでしまった。
やばい、これじゃ…獅狼にバレる…。
「おまえ…!やっぱ足怪我してんじゃねぇか!」

