「はいじゃあ、全員揃ったので登山を開始したいと思いま〜す」




そうして始まった地獄の登山。男女隣同士で班がはぐれないように居るんだけれど、そこでもわたしの隣にいるのは獅狼で…。


バスの席順そのままだ。


なんで獅狼の隣なんだよぉ…。かといって松原も嫌だしな…。清水くんは律ちゃんに夢中だし…。


なんなのこの班…。えりと一緒なのは嬉しいけれど、なんで獅狼も……。気まずすぎんだろぉ…。




「リリー大丈夫〜?ついて来れてる〜?」


「あ〜〜もうすでに死にそうだけど一応〜〜」




はあ、とでかい溜め息をつくと体力バカの松原がバカにしたように笑ってこっちを見てきた。




「引きこもり!もっと運動しやがれ!」


「うるせぇ!体力バカ!こっち見んな!!!」




シッシッ!、と犬扱いをするとニヤニヤした顔つきのままわたしから視線を外した。


あ〜〜もうムカつくな松原のやつ…。ただでさえ獅狼のことでイラついてたのに…。