「どーだか〜」
松原くんのおつむは大変かわいそうだからね〜、なんて言えば「このやろう…」と怒りながらわたしを捕まえようとしてくる。
軽く鬼ごっこをするハメに。
「こら。山登り行く前に無駄な体力使うんじゃない」
えりに首根っこを掴まれて、首がぐえっと絞まった。
「ちょ…えりサン、苦しい…」
「ご飯の時間も短いんだからさっさと食べちゃう！」
「はい…」
周りにクスクスと笑われながらわたしと松原は椅子に座り黙々とご飯を食べ始めた。
「まあ、なんにせよテストは終わっちゃったんだし」
「そうそう。後は結果を待つだけじゃん」
清水くんは頬杖をついて歯を見せて笑い、松原の頭を乱暴に撫でていた。
なんか…兄弟みたいだなあ。その時ちらりと視界に写った獅郎は、ひとり黙々とご飯を食べていた。ふと目が合ったけれど、わたしから視線を逸らしたから何事もなかった。
