「残りの教科が終わったらお昼を食べて、その後登山へ行きます。あまりお昼はたくさん食べないようにね。それじゃテストを開始します」
先生の始めの声と同時に紙をめくる音が聞こえる。
やばい…えりと律ちゃんに教えてもらったとこピンポイントで出てる…。
いつもやるテストとは違い手応えを感じているうちに、時間はどんどんと過ぎて行った。
「───やめ。じゃあ筆記用具を置いて。テスト用紙を回収します」
「お、終わった……」
今日は一番後ろの席だったわたしはそのまま後ろに倒れ込んだ。なんとか残り2教科、集中力を切らさずに完走出来た…。
や…やればできるんだわたし……。
「リリ!おつかれ!どうだった?」
「結構できた…かな」
「じゃあ大丈夫だね!最終日はみんなでたくさん遊ぼ〜!」
えりはにっこりと笑い、明日のことに胸を躍らせていた。
元気だなあ…。まだこのあと山登りもあるのに…。わたしは明日のことを考える余裕もないよ……。

