「えり…痛いって……」
「あ、ごめんつい…」
眉を足れ下げて笑うえり。わたしは肩を回してはぁ、と溜め息をつく。
「もう一生分の勉強したよ…」
「何言ってんの。リリの場合、半分もしてないでしょ」
「リリちゃん、その調子でテストも頑張るんだよ」
「はぁーい」
そしてテスト開始の16時半になり、全員大広間の部屋に移動した。
「隣のひととの距離が近いからってカンニングは絶対にしないように」
人ひとり分開けた席。横にいる人との距離はちらっとでも覗けばテスト用紙が見えてしまいそうなくらい。
カンニングしないようにって言うくらいならもう少し席の間隔を遠くすればいいのに…。
「1教科の制限時間は50分。終わるまで諦めずに見直しすること!じゃあ始め」

