「どうせやってもムリだよ」
「もう…」
「ねぇ、リリちゃん」
律ちゃんにそう声をかけられ、わたしは顔を律ちゃんに向けた。
「やる前から諦めてたら、何も始まらないよ」
「………」
「人間やればできないことなんてないんだから。ましてや勉強なんて教科書があって答えもあるんだから」
「そうだよリリ。だから頑張ろ?ちゃんと教えるからさ」
ふたりにそう諭され、わたしは渋々ゲームを置き机に向かって勉強をすることに…。
とことんわからないとこだらけのわたしをふたりは見捨てず、一生懸命に教えてくれた。
…いいひとたちに恵まれたなあ…。
「なんとかテスト範囲は終わったね…」
「あ〜疲れた〜」
「リリ!今回のテスト死ぬ気で頑張るんだよ!!」
えりに肩を掴まれ、ぐらぐらと揺らされる。

