「リリちゃんが合宿の班、獅狼と一緒になったんだって」
「えっ!?そうなの?」
ちょっ、寧々さぁ~ん!獅狼本人を目の前にして言わないでくださいよ~…。
「…ていうかリリ、獅狼だってわかったの?」
「え?」
カズくんが怪訝そうにわたしを見つめてそう言った。
わかったっていうか…。
「ん~…まだちゃんとした確信はないけど…」
ちらっと獅狼を見ると、ユーマとじゃれ合って遊んでいた。
何やってんだか…。呆れたため息をつけばカズくんはクスッと笑った。
「?…なに?」
「んーん。なんでもないよ。獅狼と仲良くね」
「え~…あんな地味男子と仲良くしてたらみんなに頭イカれたのかって言われちゃうよ~」
そう冗談で笑い飛ばせば、また頭に圧を感じた。
「お前は学習能力がねぇみたいだな?」
「イタタタタタ!」
また獅狼に頭を鷲掴みにされ、若干体が浮いた。

