「え…」
「清水くん、マジ?」
「嘘に決まってんじゃん。本気にしないでよ、やだなあ」
俺ちゃんと女の子が好きだよ、と静まり返った空気の中にまたケラケラと楽しげな声が響く。
あ…なんだ、冗談か…びっくりした。
「お前マジそういう冗談やめろよ。俺に迷惑だよ」
「なんでよ。幼稚園からの仲じゃ〜ん」
よ、幼稚園から…。
じゃあ今までずっと一緒だったんだ…。うわぁ、なんかふたりがそういう風に見えて来たよ…。
「おい霧谷!引いてんじゃねぇよ!俺はホモじゃねぇからな?!」
「いや…別に人の性癖に文句なんてつけないよ。そのひとの問題じゃん…?」
「てめっ、あきらかドン引きしてんじゃねーかよやめろっ!!」
うわぁ…、と冷めた視線を送っていれば椅子から立ち上がってなぜか必死に弁解してくる松原。

