『おー、カズ』
「カズくん?変わって!」
「はあ?」と言った獅狼の声は聞こえなくなり、その瞬間わたしの耳にはカズくんの声が聞こえて来た。
『リリ!?』
「やあ、カズくん!」
『やあ、じゃないよもう!心配したんだからねっ?』
「ごめんよう。友達に強制連行されちゃってさ。連絡するの忘れてた」
『もう…。今回は何もなかったからよかったけど、今度からどっか行くときは連絡するんだよ?』
「はぁーい。ごめんね」
今回は何もなかったからよかった、ってところがすごく気になるんだけど…。
でも、深く聞いたところでばかなわたしにわかるハズもないからあえて聞かない事にした。
『今どこにいるの?帰るとき迎えに行こうか?』
「えっ、いやいいよ!自分で帰れるし!」
これ以上、みんなに迷惑はかけられないしね。

